カラマリ・インク
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業務内容
・グラフィックデザイン
・エディトリアルデザイン
・ウェブデザイン/構築
・アプリケーション、UI/UXデザイン
・プロダクトデザイン
デザイナー
・尾中 俊介
・田中 慶二
『はな子のいる風景 イメージを(ひっ)くりかえす』
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発行日|2017年9月9日 第1版発行
仕様|220x188mm/PUR並製/貼込・差込・中綴じ小冊子等/オフセット印刷
頁数|192ページ
企画|AHA! [Archive for Human Activities/人類の営みのためのアーカイブ]
取材・編集・執筆・構成|松本篤(AHA!)
デザイン・構成|尾中俊介(Calamari Inc.)
取材・編集補佐|大内曜(吉祥寺美術館)
寄稿|保坂和志
協力|公益財団法人東京動物園協会 井の頭自然文化園
印刷・製本|大村印刷株式会社
貼込・差込|社会福祉法人武蔵野 ワークセンターけやき
発行|武蔵野市立吉祥寺美術館
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第52回造本装幀コンクール 東京都知事賞受賞
https://www.jbpa.or.jp/zohon/zohon52.html
小原真史ブックレビュー
https://imaonline.jp/articles/bookreview/20180927hanako/#page-1
松本篤(AHA!/remo)キュレーターズノート
https://artscape.jp/report/curator/10140650_1634.html
2016年5月、井の頭自然文化園で飼育されていた象のはな子が死んだ。戦後の日本に最も早くやってきて、最も長く生きた象だった。 2016年9月、はな子が幅広い世代の人びとによって撮影されてきたことを知ったアーカイブ・プロジェクトAHA!の松本篤は、はな子が、撮影者と被写体のみならず戦後日本の足跡を記録したメディアになりうる存在であると考え、一般家庭に存在する膨大なはな子との記念写真の収集を開始した。提供された記念写真の中から選ばれた169枚の記念写真はすべて等しい価値を有すると考え、全枚をモノクロ化したのちサイズを統一、撮影された日付順に並べた。また撮影日と同じ日に記された飼育日誌からはな子に関する箇所を抜粋し頁下部に添えてある。その上で、約30点の写真だけはカラー・原寸大で複製し、モノクロに統一された写真を隠すように貼り付けた。複製写真はめくることができ、ウラ面には、同じ提供者から応募のあった他の写真(違う時期の写真/背面を向いている写真/アンケート集に記された内容に関係する写真など)を配置した。さらに・保坂和志氏によるエッセイ・上野動物園から井の頭自然文化園にはな子を誘致する請願書・新象舎の平面図を付録としてとして差し込んでいる。また写真提供者約100名に対し「あなたがこれまでに失った大切なものを一つ選んで、その経験を教えてください」という編者からの質問への応答文を小冊子にまとめ巻末の附録とした。これらの造本は、めくる行為によって人と象(像=イメージ)をひっくりかえしつづけるためのものとしてデザイナーとともに考案された。松本はこう記す。「イメージを読むこと、ページをめくることは、今流れている時間の中に、もう一つの異なる時間を一時的に生起させる営みだ。読み手は、活きた記録メディア(recorder)となり、再生メディア(player)となって、ここからむこうへ、むこうからここへと往来を始める。」(尾中俊介)